春木メディカルサービス

漏えいがあったようですが大丈夫ですか

エックス線室の防護は放射線を 100% 止められるわけではありません。放射線の線量を減衰させ、ごく微量の線量とすることで人体に影響がないように作られています。

この漏えい値の限度は法律・法令で定められており、エックス線室は漏えい値がこの法律・法令で決められた限度内に収めるように作られています。(病院・クリニック内にエックス線室を設置する際に、計算、測定を行なって確認します)

エックス線室(管理区域)とその他の部屋の隔壁は、3ヶ月(13週)で 1,300μSv(1.3mSv)以下(1週間で 100μSv)、以下に収めるように決められています。隣接する部屋が住宅の場合などは、13週で 250μSv以下になります。

例えば、ある測点(A点)で撮影時 0.02μSv、透視で 3.0μSv/h の漏えいが認められたとします。

1日の撮影枚数が 50枚、透視は各検査ごとに 5分間の曝射を行い、10人の検査を行うとします。検査は月曜日から金曜日までの 5日間稼働します。

撮影時の漏えい値の積算は、0.02[μSv] × 50[枚] × 5[日] × 13[週] = 65[μSv]
透視時の漏えい値の積算は、3.0[μSv/h] ÷ 60[分] × 5[分] × 5[人] × 5[日] × 13[週] = 81.25[μSv]
A点の 3ヶ月の漏えい値の積算は 65[μSv] + 81.25[μSv] = 146.25[μSv]

でこれは基準値である 1,300μSv(及び 250μSv)を下回っていることがわかります。

実際の検査の頻度や漏えい値によって基準値以下か否かは変わりますので、もし測定結果をご覧いただきご心配な場合はご相談ください。